No.50 (ティムール朝・オスマン朝)  : 

オスマン朝での政教一致とはどういうものか?

1517年、オスマン朝のスルタンであるセリム1世がエジプトのマムルーク朝を滅ぼ
した際に、カイロにいた旧アッバース朝カリフの子孫からカリフの位を得てスルタ
ン=カリフ制を成立させた。これは政治的リーダーとしてのスルタンと宗教的なリ
ーダーとしてのカリフの聖俗両権を兼ねた中央集権の確立を意味する。


<評価の観点>
関心・意欲・態度:

我が国ではあり得なかった「征夷大将軍天皇」にあたるものが、スルタン=カリフ
であることに関心を高めつつ、意欲的に学習に取り組んでいる。


思考・判断:
オスマン朝セリム1世が、エジプトのマムルーク朝を滅ぼして、カリフの位を
兼任することになった背景とその大きな意義について、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
政教分離の時代を二つの三角形(政治・軍事の三角形の頂点はスルタン、宗教の三
角形の頂点はカリフ)で、政教一致の時代を一つの三角形(頂点はカリフ)で図示
することができている。

知識・理解:
アッバース朝衰退以降の、イスラーム世界における政教一致の時代が、オスマン朝
のセリム1世から(ただし形式のみ)本格的に再開したことの歴史的な理由や意義
について、基本的な知識を身につけている。